堺市のある介護老人保健施設からご依頼を受けて、様々なシステムをご提案し、実際に設置する出入口にてデモンストレーションさせて頂いて、分かったことがありました。
それは、どの方式・システムも一長一短ということなんです!
価格がリーズナブルでいいなぁと思っていたら、デモストレーションを行うと信頼性がイマイチ。
また、信頼性が高く、タグの受信装置もリーズナブルな価格だったら、タグが高い。
タグが安かったら、受信装置が高い、という具合なんです!
徘徊される方は数名です。しかも、片手でも指が余るくらいです。
そんな人数の方に対して、百万円以上の高価なシステムは新設なら建物の建設総額から見れば費用が目立ちませんので、導入することは可能でしょう!
しかし、大半を占める既存施設ではそんな価格の徘徊検知システムを、数名のために導入できないですよね!
しかも、建物が古い施設では、構造上検知したい箇所が多くなってしまうので、すごい費用になってしまいます。
費用のことは気にしなくてもいいという条件でしたら、重要な施設・部屋への出入管理用などに発売されている“バイオメトリクス”と言われる生体認証技術の一つである、「顔認証」を流用したシステムが、一番いいと思います。
あらかじめ、徘徊されるおそれがある方の顔画像を出入口に設置した監視カメラを通して、画像解析・運用ソフトを入れたパソコンに記録しておきます。
そして、出入口に向かう人を一人一人認識して、記録されている方が通過しようとした時には画像データと一致させて、アラームでお知らせするシステムです。
特長はなんといってもタグを利用者さんの靴や服に装着しなくていいことです。
タグの紛失やご自分で服を着替えられる場合など、装着に関することをなんら気にする必要がないです。
ですので、まったく意識することなく生活を送って頂けますよね!
指紋認証などと比べて、「顔認証」自体はここ2,3年前の防犯機器の展示会より様々なメーカーが大々的に発表しているという新しい認証技術ですので、今はシステム全体で300万円とかします。
今後、値段がこなれてくると思いますが、高齢者施設でも導入できるくらいまでこなれてくることを期待したいです!
さて、ここからは先ほど触れました大阪府堺市のある介護老人保健施設で導入に至った背景、及び機器選定までの道のりをご紹介いたします。
その中には高価な徘徊検知システムの中でも比較的リーズナブルで、私がお薦めするシステムを最後の方に記述しております。
まず、事の発端はある認知症の方が施設を出て、歩いて自宅に帰ってしまったことでした。
幸いケガもなく無事でしたが、なんらかの対策を講じたいという相談を受けました。
そこで、まずご提案しましたのは、靴の中敷にシート状のタグを入れておき、出入口に敷いているマット型タグ検知アンテナの上を通過すると、タグを検知して職員にお知らせするシステムでした。
このシステムのいい点は、なんと言っても価格でした。
特定の方の徘徊を検知するものとしては、ダントツで安かったのです。
しかも、タグは電池が要らないし、薄いですので靴に装着しても、目立たなくて違和感がありません。
マット型タグ検知アンテナも、ダスキンなどのマットの下に敷けば分かりません。
「これはいける!」、とデモストレーションを行うまではそう思っていました。
ところが、実際に設置する出入口の自動ドアの前で試してみると、タグを検知したりしなかったりで不安定だったんです。
挙句の果てには、鳴らすためにわざとスローモーションのようにゆっくりと、足をマット型タグ検知アンテナの上を通過させている状態でした。
こんな状況でしたら、導入しない方が安全です!
システムを導入したら、絶対に職員は頼るようになります。
現在のようにシステムがない状況でしたら、職員が意識して目配りしますので、まだ安全と言えますよね!
なぜ、そうゆうことになったかと言いますと、マット型タグ検知アンテナは設置する箇所の下の環境にすごく影響されるからだったんです。
具体的に言いますと、アンテナの周りをループ状に磁場が発生しているのですが、設置する箇所の下に鉄骨や鉄筋が通っていると、磁場が崩れてタグを受信する感度が不安定になるからなんです。
他の高齢者施設で、同じアンテナをエレベーターの前に設置して試してみましたが、全然ダメでした。
エレベーターの周りには、補強のために他の箇所と比べて、鉄骨を多く配置しているからです。
ですので、基本的にはマット型のタグ検知アンテナを使用する徘徊検知システムの場合は、床下の環境にかなり影響を受けますので、絶対に設置箇所でデモンストレーションを行ってもらい、必ず感度や信頼性を確認してください。
次にご提案いたしましたのは、家電量販店やドラックストアなどの店舗でよく見かけるゲート式の万引き防止装置を応用したものです。
カードタイプのタグを名札と一緒に透明のケースに入れて胸につけてもらい、出入口に設置したゲートの間を通過するとタグを検知してお知らせするという運用です。
このシステムの魅力はタグが数百円と安いですので、紛失してしまっても問題ないですし、少しでも懸念のある方にもタグを付けてもらえますよね!
また、タグ自体からは電波を発信している訳ではないですので、電池が必要ないです。
実際に介護老人保健施設の出入口にてデモンストレーションをさせて頂きましたが、信頼性があり、その点は職員の方の評価もすごく良かったです。
ただ、本来が防犯目的に作られていますので、検知の信頼性を上げるのと威嚇効果もあって、出入口に設置するゲートが目立ってしまいます。
高齢者施設などとしては、目立たないように運用したいですよね!
しかも、検知する出入口が複数になってくると、それだけゲートの数も増えます。
そうなってくると、タグを検知するゲートは1セットで数十万円しますので、コストパフォーマンスが極端に悪くなってしまいます。
目立ってもいいということでしたら、検知したい箇所が出入口1ヵ所の場合は導入する価値があると思います。
その時点でどれも一長一短でしたので施設では結論が出ず、一旦話は流れてしまいました。
そこで、その介護老人保健施設では、監視カメラを出入口に、モニター及び録画装置を出入口横の事務室に設置されました。
ところが、ある日、認知症の方が施設を出てしまったのです。
その時間帯、出入口付近で職員2人が業務のことで話をしていました。
その2人は、自分達がいてる間に出ていった人はいない、とおっしゃったそうです。
録画した映像を再生してみると、
なんと、職員が話をしている後ろを通って、施設を出ていっているではないですか!
人間って、話に夢中になったり、仕事に集中していたりすると、周りが見えないことがあるんですよね。
幸いなことに出ていった方はケガもなく、無事に保護されました。
しかし、このようなことがあったものですから、徘徊検知システムの再検討を早急に行うことになりました。
ご提案しましたのは、
一定の時間間隔で電波を発する送信機をお守り袋に入れて、徘徊されるおそれのある方に持ってもらいます。
そして、受信機と人の動きをキャッチする人感センサーを、出入口の自動ドアの内側である風除室に設置。
送信機を持った方が風除室に入ってくると、隣の事務室でアラームが鳴ってお知らせするシステムです。
受信機だけでは検知エリアが広くなってしまい、例えば風除室より施設の内側にある公衆電話で電話をかける際にも職員にお知らせしてしまいます。
ですので、人感センサーも併せて設置することで、送信機をもった方が風除室に入った時、職員にお知らせするようにできます。
また、土日や祝日は事務室の方がかなり少なくなります。
万が一、事務室に職員がいない状況であっても、1階フロアのどなたかが携帯型の受信機を持っていれば、徘徊をキャッチできるようにもしました。
デモンストレーションにてシステムの信頼性をご確認いただいて、ご納得!
送信機は高いですが、受信機などが安いですので、トータルではご予算内に収めることができました。
後は、お守り袋に入れた送信機を対象となる方に持ってもらえるかが検討課題でしたが、検討いただいた結果、運用できそうということで導入が決まりました。
設置させていただいた後暫くしてお伺いしますと、職員の方より「コストパフォーマンスに優れており、導入して良かった!」とのお言葉をいただきました。
喜んでいただいてホッとしました。
軽自動車しかいらないのに、「うちは高級車しか売っていない」と言われて、無理やり高級車を提案されても困りますよね!
と言いますのは、徘徊を検知するいろんなシステムを見ても、性能が過剰すぎる感があります。
例えば、送信機を番号管理して、「1番が表示されたら誰々さん」とわかるようにもできます。
ただ、その番号管理が100人までとか、500人までできますって、カタログに載せているメーカーがありますが、そんな人数いたら高齢者施設・病院は対応できないですよね!
今回採用いただいたシステムのメーカーは機器としての単品が豊富ですので、我々としましては施設のご要望に応じた規模でのシステムが組みやすい点がいいんです!
ですので、今回は送信機の番号による個人識別は必要ないだろうということで、単に送信機を持った方が風除室に入ったら、職員にお知らせするようにしました。
やはり、軽自動車しかいらない場合には、軽自動車の提案をしてもらう方がいいですよね!
お困りの高齢者施設や病院の方は、お問い合わせ・資料請求をしてください。
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