実際に設置する建物出入口の風除室にて、デモンストレーションをさせて頂いて分かったことがありました。

 
 
それは、認知症の方が建物出入口などから出られようとされる際に検知する、「徘徊検知システム」って、どの方式・システムも一長一短ということなんです!

 


価格がリーズナブルでいいなぁと思っていたら、デモストレーションではタグを受信したりしなかったりで信頼性がイマイチ

 

 

一方、信頼性が高くて評価がいいシステムは、価格が高い、という具合なんです。
 
 

 

 
徘徊される方は数名ではないでしょうか?

 
高価なシステムは、新設なら建物の建設総額から見れば費用が目立たないかも知れませんので、導入することは可能でしょう。


でも、大半を占める既存施設では、実際にお困りでも、数名のために高額なのを導入するのは難しいですよね?!


しかも、建物が古い施設では、構造上出入できる箇所が多い場合が多く、導入費用がかさんでしまいます。
 
 

 
費用のことは気にしなくてもいいという条件でしたら、重要な施設・部屋への出入管理用などに発売されている“バイオメトリクス”と言われる生体認証技術の一つである「顔認証」を流用したシステムが、一番いいと思います。


あらかじめ、徘徊される恐れがある方の顔画像を出入口に設置した監視カメラを通して、画像解析・運用ソフトを入れたパソコンや録画装置に複数枚記録させておきます。


そして、出入口に向かう人を一人一人認識して、登録されている画像データの方が通過しようとした時に一致させて、アラームでお知らせするシステムです。
 
 


特長はなんといっても、タグを利用者さんの靴や服などに装着しなくていいこと。


タグの紛失やご自分で服を着替えられる場合など、運用時に必ず課題となる「タグをいかにお持ち頂くか」に関することを考える必要がないです。


ですので、まったく意識することなく生活を送って頂けますよね!


「顔認証」のシステムは以前パソコンを使用する高価なシステムでしたが、近年様々なメーカーから防犯カメラシステムのレコーダー(記録装置)で機能を有する機種が発売されてきており、導入への障壁が低くなってきています。

 
このシステムの肝は、防犯カメラの設置箇所になります。
対象の方は認証を受けようという意思を持って、カメラにお顔を向けられる訳ではないです。
ましてや、真っ直ぐ前を向いてではなく、多少下を向いて歩いているかもしれません。
それでも、記録している写真データと照合できる映像が映せる位置に設置しなければなりません。
 
 

 
話を戻しまして、最初に触れました、大阪府堺市のある介護老人保健施設で導入に至った背景、及び機器選定までの道のりをお話します。

 
 


検討するに至った事の発端は、ある認知症の方が施設を出て、歩いて自宅に帰ってしまったことでした。

 
幸いケガもなく無事でしたが、万が一ケガをしたら施設側の過失を問われる可能性があるので、何らかの対策を講じたいという相談を受けました。

 

まず、ご提案しましたのは、靴の中敷にシート状のタグを入れておき、出入口に敷いているマット型タグ検知アンテナの上を通過すると、タグを検知して職員にお知らせする、マットタイプのシステムでした。
 
このシステムのいい点は、なんと言っても価格でした。

 


特定の方の徘徊を検知するものとしては、ダントツで安かったんです。

 
しかも、タグは電波を発信するタイプではなくて電池が要らないし薄いので、靴の中敷に装着しても、目立たなくて違和感がありません。

 
タグの価格も、数百円と安価。


マット型タグ検知アンテナも、ダスキン・リースキンなどのレンタルマットの下に敷けば分かりません。


「これはいける!」、とデモストレーションを行うまでは思っていました。
 
 


ところが、実際に設置予定である自動ドアの前にマット型タグ検知アンテナを設置して試してみると、タグを検知したりしなかったりで不安定だったんです。


挙句の果てには、鳴らすためにわざとスローモーションのようにゆっくりと、足をマット型タグ検知アンテナの上を通過させている状態でした 笑


こんな状況でしたら、導入しない方がマシ!


システムを導入したら、絶対に職員の方は頼るようになります。

 
現在のようにシステムがない状況でしたら、職員の方が意識して目配り・気配りされるので、まだ安全と言えますよね?!

 
 


なぜ、そうゆうことになったかをメーカーに問い合わせましたら、マット型タグ検知アンテナは設置する箇所の床下環境にすごく影響される!からだったんです。

 
具体的に言いますと、アンテナの周りをループ状に磁場が発生しているのですが、通常ですとタグが通過することで発生している磁場が乱れて、タグを検知するんです。
 

しかし、設置する箇所の下に鉄骨や鉄筋が通っていると、最初から磁場が乱れた不安定な状態となってしまい、タグの通過を検知できないからなんです。
 
 


他の高齢者施設で、同じアンテナをエレベーターの前に設置して試してみましたが、全然ダメでした。


エレベーターの周りには、補強のために他の箇所と比べて、鉄骨を多く配置しているから。

 

ですので、基本的にはマット型のタグ検知アンテナを使用する徘徊検知システムをご検討される場合は、床下の環境に影響を受ける可能性がありますので、絶対に設置箇所でデモンストレーションを行ってもらい、必ず感度や信頼性を確認してください。
 
 

 

 
次にご提案いたしましたのは、家電量販店やドラックストアなどの店舗の出入口でよく見かける、ゲート式の万引き防止装置を応用したものでした。


カードタイプのタグを名札と一緒に透明のケースに入れて胸につけてもらい、出入口に設置したゲートの間を通過するとタグを検知してお知らせするという運用です。

 
原理としては、先ほどのマット型タグ受信アンテナと同じものを、2本立てて設置するイメージ。

 

ゲート間に磁場を発生してタグをお持ちになった方が通過すると、磁場が乱れてタグを検知。
 
ただ、違いは床からの距離がありますので、床下環境に影響されにくいこと。
 
 

 


このシステムの魅力もタグが数百円と安いですので、紛失してしまっても問題ないですし、少しでも徘徊される懸念のある方や、ご自分で着替えをなさる方ならいくつかの服にタグを付けておくことが容易です!


また、タグ自体からは電波を発信している訳ではないですので、電池の必要なし
 
実際に介護老人保健施設の出入口にてデモンストレーションをさせて頂きましたが、そこそこ信頼性があり、その点は職員の方の評価も良かったです。

 
信頼性が“そこそこ”と言いましたのは、1.6mほどあるゲート間の真ん中辺りの検知が少し落ちるからです。

 
それなら出入口の自動ドアの両サイドだけでなく、間にもゲートを設置してはどうか、と思われたかも知れません。
 
しかし、消防法の兼ね合いで開いている間口にゲートを設置するのが難しいのです。

 
車椅子での出入りもギリギリといったところでしょうか。
 

 


また、ゲート通過時のゲートに対するタグの方向で、検知度合が変わってきます。
 

 

と言いますのは、カードタイプのタグがゲートに対して平行に近いほど、ゲートから発している磁場をタグが受ける面積が大きくなるから。
 
 


ゲート式の万引き防止装置は本来、防犯目的に作られています。

 
ですので、威嚇効果と検知の信頼性を上げる意味で、出入口に設置するゲートは大きくて目立つようになっています。


設置される際には、目立ちにくくて、デザイン性の良いゲートで運用したいですね。


検知する出入口が複数になってくると、それだけゲートの数も増えます。


そうなってくると、タグを検知するゲートは1セットで数十万円しますので、費用が嵩んでしまい導入には現実的では無くなってきます。



 
ゲート式は信頼性や予算でも施設としてはクリアしていたのですが、「出入り口に設置すると、人がもたれて倒れるんじゃないか」、というゲート設置の安全性に対する懸念をお持ちでした。

 

 

 

 

 

 

3番目は、1番目と同じ「マットタイプ」ですが、大手電機メーカーから発売されているものをデモしました。

 

マットタイプでも、さすが大手メーカー製。

 

信頼性は高かったです。

 

タグが電池不要だったのは同じなのですが、構造は全く異なっていました。

 

 

いかんせん、価格が

 

出入口1箇所を検知するのに、100万円を軽くオーバー。
 
タグの個別認証ができましたので、「誰が何処から出られたのか」がわかりますので、そんな価格になっていたと思います。

 

 

 

 

 

その時点でどれも一長一短でしたので、施設では結論が出ず、一旦話は流れてしまいました。

 

 

そこで、その介護老人保健施設では、監視カメラを出入口に、モニター及び録画装置を出入口横の事務室に設置されました。

 


ところがある日、認知症の方が施設を出てしまったのです。


その時間帯、出入口付近で職員2人が業務のことで話をしていました。


その2人は、「自分達がいてる間に出ていった人はいない!」、とおっしゃったそうです。
 
 


いざ、録画した映像を再生してみると、なんと職員同士で話をしている後ろを通って、施設から出ていっているではないですか!


人間って、話に夢中になったり、書類作成などパソコンでの仕事に集中していたりすると、周りが見えなくなることがあるんですよね。

 

幸い出ていかれた方にケガはなく、無事に保護されたそうです。

このようなことがあったものですから、徘徊検知システムの再検討を早急に行うことになったのです。
 
 

 

 
4番目にご提案いたしましたのは、一定の時間間隔で常時電波を発する、アクティブ方式の送信機(タグ)をお守り袋に入れて、徘徊されるおそれのある方に持って頂くものでした。


そして、タグから発する電波を受信する「受信機」と人の動きをキャッチする「人感センサー」を、出入口の自動ドアの内側である風除室に設置

 

送信機(タグ)を持った方が風除室に入ってくると、隣の事務室でアラームが鳴ってお知らせするシステムです。

 
 
タグ受信機だけでは検知エリアが広くなってしまいます。

 

 
建物から出ようとしていない、例えば風除室より施設の内側にあるエントランスホールの公衆電話で電話をかける、あるいは廊下を散歩している際にも、タグの電波を受信して職員にお知らせしてしまいます。

 
そこで、人感センサーも併せて設置することで、タグをお持ちの方が風除室に入った時、タグ受信機がタグを受信、同時に人感センサーが人の動きをキャッチする、ダブル検知した時だけ職員にお知らせするようになっています。
 
 


また、土日や祝日は事務室で勤務される方がかなり少なくなります。


万が一、事務室に職員がいない状況であっても、1階フロアのどなたかが携帯型の受信機を持っていれば、徘徊をキャッチできるようにもしました。


デモンストレーションにてシステムの信頼性をご確認いただいて、ご納得!


送信機であるタグは1万数千円と高いですが、その他の受信機などが高くなかったですので、トータルで30数万円の費用に抑えることができました。


後は、お守り袋に入れた送信機を対象となる方に持って頂けるかが検討課題でしたが、運用できそうということで導入が決まりました。

 
設置させていただいた後暫くしてお伺いしますと、職員の方より「コストパフォーマンスに優れており、導入して良かった!」とのお言葉をいただきました。
 
喜んでいただいてホッとしました。
 
対象となる方が増えているようで、当初5個のタグで運用されていましたが、追加されて今では8個で運用されています。
 
 
 
導入をご検討されている高齢者施設・病院では、「お守り袋に入れたタグを対象者にお持ち頂けるのかと不安」、とのお声をよくお聞きします。
 
大阪府和泉市の住宅型有料老人ホームでも導入頂いておりますが、担当の方にお聞きしますと、対象となる5名に「お守りですよ」と言ってお渡ししたら、すんなりお持ち頂けたそうです。
 
手放さず、大事にお持ちとのこと。
 
 
 

しかし、この「アクティブ方式」のシステムはコストパフォーマンスが良いのですが、注意点が2点あります。
 
一つ目は・・・
 
タグをお持ちの方が施設から出るつもりがなくて、玄関の風除室内側のホールだけれどもタグ受信機の受信エリアにいらっしゃっる。


なおかつ、家族さんなどの来訪者が外部より風除室に入ってきて、設置してある人感センサーの検知エリア内に入られた場合、

 

タグをお持ちの方が風除室に入ってきて施設建物から出ようとしてるというダブル検知と同じ状態になってしまい、職員にお知らせするアラームが鳴ってしまうんです。
 
人感センサーは、タグをお持ちの方だけに反応する訳ではないですから。

 

 
このシステムの導入をご検討される場合には、その点を考慮に入れて頂く必要があります。

 
 
 
二つ目は・・・

 

タグ(送信機)の電波発信の強弱調整ができないこと。 
 
ということは、発信距離の調整ができないことです。
 
 
 
先ほどの和泉市の住宅型有料老人ホームで起こったことをお話します。
 
納入させて頂いたシステムのタグの電波発信距離は約8m。
 
タグをお持ちの方が、風除室より建物内側のあるホールの椅子に座ったり、ホールをグルグル歩き回られたりしていました。
 
タグでは電波の調整ができないので、風除室のタグ受信機側で感度調整をしていました。
 
しかし、6、7mほど離れた椅子に座っている方のタグの電波を受信したのか、風除室に来訪者が入ってきたら、事務室に配置しておいたアラームが鳴ったのです。
 
それ以後、同様のことが度々発生しました。

 

 

 

施設の方より、「なんとかタグの電波発信距離を短くできないか」との相談を頂き、メーカーと検討した結果、苦肉の策としてお守り袋に入れているタグ自体に家庭にあるアルミホイルで巻いたのです。

 

 

金属を巻くと電波が減衰しますので、電波到達距離が短くなります。

 

そこで、現場にてテストしてみました。

 

 

なんと、今まで受信してしまっていたホールの椅子の位置で、タグ受信機は受信しなかったのです。
 
距離にして2mほど受信する距離が短く。
 
テストがうまくいったものですから、全てのタグに巻きました。
 
 
 
このアルミホイルを巻くので、1点だけ注意を!
 
それは、完全に巻いてはダメということ。
 
どこかを開けておかないと、本来の徘徊を検知できないほど減衰させてしまうからです。
 
ですから、鉄火巻の海苔をイメージして下さい。
 
 
 
「アクティブ方式」のタグは、


・一定の時間間隔で常時電波を発信する


・発信する電波の距離が調整できない (納入したタグだけかも知れませんが)
ということでした!
 

 
これも同じ有料老人ホームで起こったことなのですが、

 

先ほどのホールにタグをお持ちの方はいないし、誰も風除室を通っていないのに、タグ受信機がタグの電波を受信していることを示すランプの点滅、その時来訪者が風除室に入って人感センサーが反応し、事務室に設置のアラームが鳴ったのです。
 
最初はなぜそのようなことになるのか、不思議としか言いようがなく、原因がわかりませんでした。
 
消去法で考えていき頭に浮かんだのは、「もし、入居者にお持ち頂いていない予備のタグがあれば、その保管場所と電池を装着した状態にしていないか」。
 
職員の方に調べてもらったら、ビンゴ!

 

 


1階ホールの上が吹き抜けになっていて、吹き抜けの近くにある2階寮母室の机の引き出しに電池を装着した状態でタグが保管されていました。
 
距離的にはタグの電波発信距離である約8mを遥かに超えているので、まさかとは思ったのですが。
 
それで、タグから電池を外して、しばらく様子を観て頂きました。
 
以後、不可思議なアラーム報知が無くなったそうなので、やはり原因は2階寮母室の保管してあったタグだったのでしょう。
 
使用しない時は、タグの電池を外して下さい。

 


 

軽自動車しかいらないのに、「うちは高級車しか売っていない」と言われて、無理やり高級車を提案されても困りますよね!


と言いますのは、徘徊を検知するいろんなシステムを見ましたが、性能が過剰すぎる機種があるからです

 
例えば、送信機であるタグをID番号管理して、「1番が表示されたら誰々さん」と個人識別ができるもの。


ただ、その番号管理が100人までとか、500人までできますって、カタログに載せているメーカーがありますが、そんな人数いたら高齢者施設・病院は対応できないですよね!

 

また、識別できる出入口の数が多すぎたり。
 
 

 


採用いただいた「アクティブ方式」のシステムのメーカーは機器としての単品が豊富ですので、我々としましては施設のご要望に応じた規模でのシステムが組みやすい点が良かったです!


ですので、事例でお話しました、大阪府堺市の介護老人保健施設や大阪府和泉市の住宅型有料老人ホームでもタグをお持ち頂く人数が数名でしたので、タグ(送信機)の番号による個人識別はできなくていいということになりました。

 
あなたも、「何処から出られたかが分かれば十分」と、思いませんか?


やはり、軽自動車しかいらない場合には、軽自動車の提案をしてもらう方がいいですよね!
 
 


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